​本番で力を発揮するために

​メンタルトレーニング

本番で緊張してしまう・・・というのはよくある話です。一方でよく言われるのは本番で緊張しない人はいないという。ガッツリ緊張した方が、なんとなく乗り越えるものがある気がして、緊張しないと物足りない気もします。

どの先生方のレッスン、マスタークラスに行っても、
100%本番で吹けるには120%練習しておくこと
と仰ったり、
本番では70%吹ければ良い方
と仰ったり。


つまり何が起きても大丈夫という位に準備しておく事が大事なわけです。

 

それでも、あるマスタークラスで、
「人前に出て吹くと、自分が緊張してるのが気になる。」
「あの人が退屈だと思ってるんじゃないかと思ったりして気になる。」
とある子が言っていました。

 

確かに・・・それもなんとなく分かります。

 


自分の経験談は、集中力&夢中度かなと思います。ある時舞台中の移動やら、台詞やら、もちろん演奏と、色々こなさなくてはならないコンサートを行いました。とにかく全てをこなす事が大変で、何度もリハーサルしました。本番当日、会場は有名なホールで満員。本番、舞台のドアが開く直前は心臓がドクドク言っていましたが、始まったらとにかく最後まで集中疾走。緊張してるかも・・とか、そんなことを考える暇がない。

 


またある時は、とにかく難しい新曲が多く、合わせの時間もあまりなく、本番に突入という時がありました。しかしその時も、最後まで集中疾走。結果、本番は緊張感を保ちつつ、同プログラムの二回目のコンサートよりかえって上手くいったくらいでした。集中力という物の力を実感させられました。

舞台上に上がってから「緊張してるかも」とかは「余分な考え」。大事なのは、あがってしまうか、あがらないかに拘らず、とにかく全力で目の前の演奏をすること。

と、言うは易し、行うは難しです。

緊張は、場数を踏めば慣れてくるというのがあります。と、同時に場数を踏んでも舞台は魔物、余裕シャキシャキになる日などは期待しない方が良いというのもあります。上達法同様、魔法はないです

とは言ったものの、本番まであがってしまうのか、しまわないのか、それは本番まで神のみぞ知る・・・ではあまりにリスク。そんなわけで、精神力も思考も、日頃からのトレーニングで大分変わります。

 

演奏者のためのメンタル・トレーニング 演奏者 勝利学という本は、スポーツ心理学者の辻秀一さんが書かれた物です。よく纏まっていて、読みやすい&実行しやすい(続けやすいかどうかは、本人次第)ので、舞台で実力を発揮されたい方は一度読まれてみては如何でしょうか?!

この中の一つにポジティブな言葉をグループ(または1人)で、どんどん出していくという練習がありました。一秒に1単語、1回言ったらもうだめで、60個とか・・・

余裕!!と思って始めたら、15個くらいで終わりました。すごくネガティブなのか笑

​そんなわけでいろんなメンタルトレーニングが乗っています

​アスリートはメンタルトレーニングを欠かしません。音楽家はアスリートな面もあるので、ぜひチャレンジしてみて下さい!!

演奏家のための「こころのレッスン」

 

演奏家のための「こころのレッスン」―あなたの音楽力を100%引き出す方法は、演奏者勝利学に続いて、本番に強くなろうというメントレ本です。前述の、演奏者勝利学著者の辻秀一さんが翻訳しています。アメリカらしい感じがしました。

 

音楽家のメンタルトレーニングという点においては、日本はどうやら遅れているらしいです。日本は・・・根性でどうにかするべきという考えが根底にあるのかもしれませんね。

「インナーゲーム」と呼ばれるスポーツ選手に使われるメントレを音楽に生かそうというものです。「まとまり」としては、演奏者勝利学に比べると、読んで直ぐにこのページを実行的なものではないのですが、実際に学生に試している例などが載っていて読み応えはあります。

私が一番印象に残ったのは弓が震えてしまう女の子に、今何が起きている?と質問すると、手が震えて弓が震えていますと女の子が答えます。しかしそれを流す?というか・・・そうすると段々震えが止まるという。震えというのは、起きてしまうものではなくて、自分の頭の構想が起こしているものなのだなと実感する所です。

とあるピアノの先生が仰っていましたが、
「学生はミスタッチをすると、その後パニックになってどんどん酷くなる。ミスタッチはミスタッチ。それで流してしまえば良い。」
と。震えてる・・・震えているぞ・・震えるな・・震えるな・・と思えば思うほど、震えが酷くなる。というのは、よくある話。震えてるね〜、だから?位に思えるようになれば、震えは止まる。

 


TVでとある有名な指揮者の棒が若干震えていました。こんな方にも震えは訪れるのかと思うと…ちょっと安心?人間ですから。


前回も書いているのですが、もう大ベテランの私の師匠でさえ、「舞台は魔物」と仰る程です。舞台は緊張感のある所。それがまた舞台の魅力かもしれませんね。
 

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