​呼吸法

​6つの呼吸練習

長年の経験から、フルートは呼吸法だ!!と確信しています。呼吸の深さ、呼吸の使い方、呼吸の取り方…息は自分の心と書く位ですから。息を使って吹くフルートは自分の心を使って鳴らす楽器。素晴らしい!

ここでは5つの呼吸練をご紹介します!

抵抗を作る- パイプ練習 -

他の木管楽器は、リード(クラリネット、オーボエ、ファゴットなど)があります。リード楽器は「抵抗」があるので、息が入りにくいのです。ファゴット奏者とヴィラ・ロボスのブラジル風バッハ第六番を演奏した時、私は息が足りなくてクラクラ、彼は息が通らなくてゼーゼー・・・という同じ”苦しい”でも違う種類の苦しみを味わっていました。
フルートは他の木管楽器に反して全く抵抗がなく、吐く息の半分が外に行ってしまう楽器です。しかしある程度の「抵抗」を自分自身で作る事で、美しい音が出てきます。全く、ただ息をダーーーっと出してしまうと、大体吹き過ぎの炸裂音になってしまうのです。


さて呼吸法ですが、色々な方向からのアプローチがあります。一言に呼吸法と言っても、呼吸の量(肺活量)を増やすという面と、使い方を上手くする・取り方を上手くするという技術面があります。


まずは、肺活量からのお話。肺活量を増やしつつ、”抵抗”の感覚を養う練習です。

それは!!!


昭和生まれのあなたなら知っている!吹き上げパイプです!

これは留学中に、クラリネットの留学生(ギリシャ人で、ダビデの彫刻のような筋肉隆々の人でした)が練習しているのを見て、これは良い!と思いました。ある程度の肺活量のある人には、市販のプラスチックでは軽いかもしれませんから、セロテープを付けたり、アルミホイルの玉にしたりなど、少し重くすれば、より鍛えられます。ピッコロはフルートより、より一層支えが必要になるので、ピッコロ担当者にもお勧め練習です。

これを大体同じような位置に保ちます(難しいです)。上げ過ぎず、下がり過ぎず・・・何秒持つかというのを計ります。

教えてる方々にもレッスンで使用出来るのでお勧めです。子供には、抵抗だ何だと説明しても欠伸されてしまうだけ。実践で覚えてもらうのが一番!!! 平成生まれの彼らも、昭和生まれの私同様、こんな単純な遊びを楽しんでくれるようです。大人の人は童心に帰ったつもりで楽しんで下さい。

無理なく肺活量増- 犬 -

無理なく容量を増やす練習方法ということで、高校の頃に行っていた”犬練”のご紹介です。犬練とは、犬が走った後に、”ハッハッ・・”とお腹で呼吸してるようにする呼吸練です。少し前屈みになると、自然と腹式呼吸で出来るようになります。手をつけるような所ならば犬のように四つん這いになっても良いです。

この体勢になることで、無理なく腹式呼吸で出来るので脱力したまま練習出来ます。そして犬のように、ハッハッハッハッ(声には出しません。息だけです。)とお腹を少し勢いに乗って凹ませて吐きます。口は、ハッと言う時のように、口を軽くパカリと開けた状態です。吐く方に意識を持って来て、吸う方は意識しません。ただお腹を元に戻すだけ。すると自動的に息が入ってきます。ハッハッとリズムに乗ってお腹を使って息を吐く感じです。

良く分からない場合は、走った後の犬のお腹を見てみて下さい(犬は舌を出しますが、人間は舌を出す必要はないです。)

メトロノーム♩=120のテンポから、120に2回(八分音符の速さで)入れられる位に練習したら良いと思います。

ちょっと大変 ふいご呼吸法 - 空気を感じる

ヨガの方法で、ふいご呼吸法というのがあります。成瀬雅春さんという人の仕事力を10倍高める呼吸法トレーニングという本の中から、幾つかご紹介したいと思います。

呼吸はフルートを吹いて行く上でとっても大事なのですが、呼吸法が上達してくると、自分の体が立体的に見えてきます。これは声楽の発声法に近いと言われるフルートの音作りの上でポイントが高いことです。

 

高音域、低音域の響きは、特に体を共鳴させる方法を使うことで豊かになるからです。実際体の中には、心臓、内臓etc. がギッシリ詰っているわけですが、イメージとして、体を空間としてイメージ出来るようになると音の響きの豊さが上がります。
 

 

また息は都市ガス・プロパンガスと同じで見えません。ガスは防災上臭いを付けてますが、息は・・・基本的には無臭ですよね。見えない、臭わないつまり五感を刺激しない。

だから実際息を出しながら吹いているにも関わらず、皆さんそれがどう出ているかとか、どの方向にどう行ってるかとか、あんまり意識していないのです。でも見えないけど”見える”そんな感覚が付いてくると、かなり上達します。呼吸法は、肺活量を増やすだけでなく、そんな体の使い方、息の意識も育てると思って良いかと思います。

さて、まず第一の練習方法はふいご”呼吸法。ふいごとはその昔暖炉や、釜に風を送って火を焚くための道具。アコーディオンの折り畳まれている部分を想像して頂ければ良いかと。

ふいご呼吸法は、そんなふいごになったツモリでお腹を動かして行います。激しい運動なので、必ず座って行ってください

 

1まず”鼻から”吐きます。この時お腹をガッと凹ませながら吐きます
2お腹を戻しながら吸います

3これを10回繰り返して、10回目の”吸う”の時に思いっきり吸って、息を止める

 

この止めている時間が延びて行くことを一応の目標にする

という呼吸法

鼻先でフンフン吸ったり吐いたりするだけだと(鼻をすするように)、深く息が吸えないので、鼻の奥で吸うつもりで行ってます。

 

成瀬さんアドバイスは、お腹の動きが無限マーク∞のように、止まる事なく動かすのがコツと書いています。フーンフーン(はくーーすうーー)という二分音符的動きであって、フンッ!フンッ!と休みが入る八分音符+八分休符の動きではないということですね。ちょうど絵の最大吸ったところとちょっと吸ったところ(赤と赤の間)を吐いたり吸ったりする感じです。(青の完全に凹ませるまで行かない)

ゆっくりになれば成る程辛いので、最初はメトロノーム80くらいで段々60くらいに遅くして行く感じです。

私はこれまでに何度かパイプオルガンに触る機会がありました。パイプオルガンはフルートと同じで管に空気を送って音を出しています。現在は電気で風を送っているわけですが、停電時用?なのかオルガンには”ふいご”で風を送る、古来のシステムが併設されていて、人が板の上に乗ってその重みで風を送ります。

 

重みと共にフワーっと降りてくる感覚、そしてそれと共にオルガンから音が聞こえて来る感覚は”空気は存在するのだ”と強く感じさせられました。

一度、”ふいご”をご自分で体験されてみると良いと思います。例えば、自転車のタイヤの空気入れとか、ボールの空気入れ、膨らんだビーチボールを凹ますのでも良いかもしれません。オルガンと違って音こそ出てきませんが、この”空気が出て行く時の質感”が掴めるようになると、フルートの音質は一気に上達すると思います。

リラックス エレベーター呼吸法

呼吸の練習には二種類あると思います。

一つは肺活量を増やす方。

今までに紹介したふいご呼吸法、犬は腹筋を鍛えて呼吸の量を増やす練習。


パイプ練習は肺活量を増やすというより、吐き方の感覚を育てると同時にお腹の支えを学ぶ感じでしょうか。この息の吐き方というのは、実際とても大事なのです。勢い良く吸って、勢い良く吐くだけでは、色んな音楽には使えなさそう・・・って思いますよね。上手に吐けば上手に吸える。


ここでは吐き方のイメトレ、”エレベーター練”のご紹介です。

ある呼吸法の紹介に”心や体がシンドイ時に呼吸法でスッキリ”って書いてありましたが、心や体がシンドイ時に呼吸法って結構シンドイ。いかに心や体が疲れてる時は人間呼吸さえもしていないかっていう証明ですが、心や体が疲れてる時に”ふいご呼吸法”とか、もう想像するだけお疲れさまです。

そういう時は、肺活量を増やす的な呼吸法ではなくて、深く呼吸するゆったりした呼吸法が良いです。そんなゆったりした呼吸法としても使えそうなのが、このエレベーター練。より深い呼吸を身につけて行きます。

エレベーター練はとっても簡単!!

息を深く(鼻から)吸って、口から少しずつ、長めに息を吐きます。
息を吐く時、エレベーターが喉の中心(3Dで自分の体をイメージ)から、スーーーっっと下に降りて行くのをイメージします。食道ーお腹ーそして足の間からスーっっと抜けて行く。
息もまるで体の中に吐いて行くかのように、そのエレベーターを追いかけて行くわけです。高層ビルの高速エレベーターじゃなくて、普通のゆっくり動くエレベーターです。

手でそのエレベーターを表現するのも良い方法です。エレベーターを押して行く、エレベーターの跡を辿る・・・。何でも良いですが、実際に手を下ろしながら。ちなみに目を瞑った方が、ずっとイメージしやすいです。

それを10回くらいでしょうか。体の中心を降りて行くエレベーターを想像しながらユッタリした気持ちで行います。内臓とか具体的生物学的物体は置いておいて、自分の体を3D空間としてイメージしてみましょう。

 

この空間が上手にイメージ出来るようになると、音の響きにも影響を及ぼしてきます。息を自分の内側に吐いて行くイメージは、特に高音域の響きを習得するのに俄然役に立ちます。また普段の音楽表現での中の息の柔軟性にも役に立っていると思います。

1:4:2の呼吸法

私のお気に入り呼吸法の一つです。

呼吸練は、肺活量を増やすという練習と、上手に使うという練習とあります。これはそのうち、『肺活量を増やす』方だと思うのですが、同時に少し上手に使う要素も入っています。


内容は極めて簡単

「吸う:止める:吐く」を1:4:2の比率で行います。

 

大体『吸うを五秒』に設定して始めます。

 

5秒吸う:20秒止める:10秒吐く を ワンセットで5回繰り返します

全て『鼻』で行います。

鼻で吸って、鼻で吐く。案外吐くが大変です。鼻からの息って口から出す息より調節が大変なのです。「8秒吸う」辺りから少しずつ難しくなって行きます。時間が掛かりますし、座って行いましょう。

酸素は動くと使われてしまうので、なるべく脱力、なるべく動かないがポイントです。

この呼吸法はヨガの本に載っていたもので、自己コントロールにも繋がるのだとか。確かに体の使い方のコントロール力は求められるかな。
ふいご呼吸法もそうですが、呼吸法は物によっては体力と気力を使います。運動と同じで、呼吸力も落ちるので、お休み期間が入ったらまた少しペースを落とした所から始めましょう。

とても地味な練習ですが、部活でも一斉に出来るのでお勧めです。息を止めるというのを混ぜることで、肺活量が鍛えられます!

是非お試しあれ!
 

ヒマラヤ歩行呼吸法

呼吸法の本の別シリーズ瞑想法に載っていた方法です。ヨガの瞑想とあるけど、瞑想効果は分からないけど、心配鍛える効果はかなりあって、有酸素運動でダイエットにも良いと思って採用して、かなり効果的でした♪


基本全部鼻での呼吸法です

吐くから始めます(呼吸本の基本は吐くです)

歩行リズムに合わせて 
吐く・吐く・吐く・吐く 

吸う・吸う・吸う・吸う

これをペアで2回(つまり4分の4拍子で4小節分)

続けて5歩
吐く・吐く・吐く・吐く・吐く

吸う・吸う・吸う・吸う・吸う

これを2ペア

続けて6歩

といった感じに増やしていきます。

増えていくとちょっとしんどくなりますが、しんどくなったら一回止めて大丈夫。
また4歩からやり直しということです

呼吸法にはまって色々なアプローチでの呼吸法を熱心に実践してた時があって、その頃から呼吸が糸みたいに繋がって、あと質感を持って感じられるようになりました。

 

心肺機能を鍛えることで、音量などにも影響があることは、もちろんなのですが、呼吸に質感が感じられると音色のコントロールもしやすくなります♪♪♪
本にはその場歩行の方法、他の呼吸法も載っています

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