​音の練習

アンブシュアのしなやかさと音の柔軟性

アンブシュアのしなやかさと、音の柔軟性についてです。教本の王道、ソノリテについて (Leduc版)のエクセサイズを使用するのがお勧めです。

​この項を見る前に、アタックの練習について見ると、よりわかりやすいです。

この項では、ソノリテについての中の、”アタックと連結”から第2課題、第3課題、そして第4課題の練習方法で

​注意することを書きます。

なぜ音の柔軟性が必要なのか!!

 

それは、息の柔軟性、音の柔軟性が、音を自由に操る能力に繋がるから。上手な人の演奏は、まるで音を自由自在に操ってるようですよね。それは、音の柔軟性=息の柔軟性から来ているのです。幅広い音を、細ーくまとめる事は出来ても、やせ細った音を広く雄大にすることは出来ません。少しでも音の柔軟性、息の柔軟性を持って、自由自在に笛を操ってみましょう!


さて、アタックの練習はソノリテについての教本の中の、第一課題で、その次は、全く同じ音型に、スラ―がつきます。第二課題は下から上の音、第三課題は上から下の音、第四課題は全部に付いて三連符で吹きます。

【課題2 上行形】

第2課題、第3課題共に、いきなり最初からデクレシェンドに挑戦すると、Pが死んだ音になりがちです。最初は、Pに挑戦することよりも、音と音の連結がスムースで、柔軟に出来る事を目指してみて下さい。音の連結がスムースであるためには、音の幅(息の幅)が変わってしまわないことです。そのためには息の支えが必要です。

 

ありがちなのは、良く聴くと最初の音が痩せてしまって、二つ目の音で復活するパターンです。(下の図)

これだと柔軟に移動してるように聞こえないのです。ダンスを踊ろうとしたら、膝がバキバキいってしまう感じです。しなやかじゃない。

 

下の図のように、二つの音の間を息で埋めるようなイメージで吹きます。そうすると、とても音と音の移動がスムースで、柔軟性のある音になります。大事なのは下の音を大切に吹く事です。下の音は跳び箱の踏み台だと思って下さい。しっかり踏み台に踏み込まなければ、高く飛ぶ事は出来ません。

最初の音は常に一緒で、次の音は段々離れて行きます。音が離れてくると段々大変になります。音が離れて来たら、まずは離れた方の音だけを吹いてみて、その時に出せる最大良い音を出し、下から上がって来ても行きつけるように練習してみると良いと思います。

移動には息の支えも必要ですが、唇のしなやかさも必要になってきます。唇のしなやかさはどうしたら出来るというものでもなく、マラソンが走れるようになるには走るしかないという原理と同じで、唇筋&その付近の筋肉を鍛えるしかないわけですから、練習してるうちに出来るようになります。

基本的には、音が出ないときは、支えが足りない(息の圧力が足りない)か、息の焦点があっていないか(方向があっていない)、息のスピードが足りないか・・・です。

 

唇は確実に少し形・力の入れ具合は変わるのですが、あまりそちらに頼ってると後々良い事がないので、唇のしなやかさは追って付いてくるもの…くらいに思っている方が良いというのが持論です。既に高い方の音が出せるのなら、唇はそれを知ってるのですから、唇さんに任せましょう。練習しながら気をつけるのは、音の幅を聴く事&息の支えでしょうか。

この均等2音が出来たら、今度は教本が求めているように、後ろを短く、かつディミュニエンドをつけてみます。するとさっきまで良い音で出ていた音が一気に死んだ音に・・・となるかもしれません。もしかしてPと思った途端、息が死んでるのかもしれません。基本は常に黒音符モデルのように!

そして、どこかで書いたような気もしますが、Pの時はより一層お腹の支えが必要なのです。フォルテと同じ息の圧力、同じ息のスピードで、量はちょっとずつ出すとピアノになります。

【第3課題 下行形】

今度は、一つの音から下がるタイプ。上行形同様、いきなり最初からデクレシェンドに挑戦すると、Pというより死んだ音になりがちなので、最初は音と音の連結がスムースに柔軟に出来る事を目指して、音の幅(息の幅)が変わってしまわないように気をつけて下さい。二つの音の間が痩せると、スムースに聞こえないのです。どんなに音が離れて行っても全部同じ音質、音幅、音量に聞こえるように、そのためにはその間も同じ音質、音幅、音量で・・・が目標です。

 

上の音から降りてくるパターンは、下の図のようになりがちです↓

何だろう??とお思いの方。若干二つ目の音が”薄い”の分かりますか?

低い音に下がる時、特に低音域に下がる時音量が落ちてしまうというより(実際、この練習では最後に>することを求めてる位ですから)、音の芯がないような、質感がないようなウッスラした音になってしまうことが多いのです。音には「芯」があります

 

ここで一つ練習です。低音域を段々と音の芯を大きくしていくようなつもりで長い音を吹いてみて下さい。段々音が大きくなりませんか?上の音から降りる際、その芯を失わないように降りるようにすると、意外と綺麗に降りれます。

 

その芯を保つためにも、何よりも息の支えです。私は低音に下がってくる時もお腹の支えが弱まったりはしないようにしないといけないと思います。お腹の支え(息の圧力)が弱まると、上のようにスカスカーっとしたボンヤリした音になってしまいがちです。

 

息の支えは一定。息の量とスピードだけ落ちる


なんとなく図にするなら下の絵みたいなイメージです(字がひどいのは、指で書いているからです・・・)

高音域から、特に右手を使う音の中・低音域に降りる時、音が裏返ったり、上滑りみたいな音になったり、鳴らなかったりします。高音域を吹くような息のスピードで吹くと、管体に息が入る前に全部息が外に勢い良く漏れて行ってしまう。息の支えは保ちつつ、息の量とスピードは落とさなくてはなりません。イメージとしては下の図みたいな感じです。↓

赤はどんな時もある支え。下の音は、赤い線(常時の息の支え)から全ての息を吐き出さない。黄色い線より上の息を使う黒い部分が低音域の支えになる)。あくまでイメージなので、実際どんな働きをしているのかは分かりませんが、何となくそんなイメージです。

 

 

さて息の話ばかりでしたが、「アンブシュアのしなやかさ」です。

上手く音が降りることが出来ない時は、まずは二つの音を分けて、「良く鳴る位置(息の方向)」というのを体に覚えさせてみると良いです。アンブシュアは確実に少し形・力の入れ具合は変わるのですが、唇のしなやかさは追って付いてくるもの…くらいに思っている方が良いというのが持論で、唇に任せる位に思っています。

 

ただ当てずっぽうに任せるというよりかは、二つの音を上手く出せる位置(そんな大幅に違うものではありません)を体に覚えさせて、その後スラ―にしてみる。体が覚えてくれているので、頭で考えなくてすみます。何よりかにより色々実践してみて、体で覚えて下さい。

唇やアンブシュアは二の次のような書き方ですが、アンブシュアのしなやかさは大事です。この練習を続けることで、唇のしなやかさが鍛えられるのは間違いないでしょう。経験から唇や頬筋は落ちるのが速いと感じます。指の筋肉より遥かに速く落ちてしまい、そしてとても敏感な筋肉だと思います。例えば本番の緊張でこわばったり(緊張すると顔がこわばったりしますよね)、力が入ると震えたりと、しばらく練習しなかった後にフルートを吹いて疲れるのは決して指ではなく、息と口回りです(悪い例)。ただフルートを吹いて行くうちに(色んな練習、曲を吹いて行くうちに)自然と鍛えられて行く所でもあるのかなと思います。

【第4課題 三連符

第4課題に関しては、基本的には今までのお話を統合することです。

 

とにかく”お腹の支え”や”体内の空気の芯柱”がぶれないように気をつけることです。

 

 

4に関して特に言うなら、音が上がったり下がったりするからといってアンブシュアを動かし過ぎないことでしょうか。多少は”動く”のですが、”動かす”と意識しすぎると、動かし過ぎてしまって焦点がぶれてしまいます。個人的にはアンブシュアのしなやかさは、あくまで”エクセサイズをしていると、ついてくる”くらいな方が良いと思っています。そうしないと顎が外れちゃったガクガクしてる人みたいになってしまいますから。

 

この練習では特に”音幅”が変わらないように注意して、音と音の間を息で埋める音と音を音で繋げるという意識を持つと良いと思います。するとスムーズでたっぷりした音がなめらかに続くように聞こえます。

まろやかな柔軟性のある音を作るには練習がいります。柔軟性のあるたっぷりした音が出せるようになると、小さくしたり、少し透明感のある音へと場合によって調節することは出来ても、息も細々の材料のない窮屈な音をたっぷりにしたり、フワッとさせたり・・という調整をすることは極めて難しいのです。頑張りましょう♪

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